リンパ浮腫の治療法 ①

発症してしまったリンパ浮腫を完治させることは困難ですが、日常生活に注意して浮腫を発症しにくくすることはできます。また、発症早期に発見して治療を開始すれば、元の状態に近いくらいまで戻る方もいらっしゃいますし、発症後長期間経過している症例においても、外科治療と組み合わせることで安楽に過ごせるようになります。諦めずにケアを行っていくことが大切です。

保存的治療

1 .スキンケア

むくんだ皮膚は傷つきやすく炎症を起こしやすいため、ひび割れや水虫などの感染症に注意する必要があります。保湿クリームや適切な軟膏を使用しましょう。感染によりリンパ管炎や蜂窩織炎が起こると浮腫の増強につながりますので、毎日のケアが重要です。

2 .医療徒手リンパドレナージ

エステなどのマッサージ(美容的ドレナージ)とは違うゆっくりとしたやわらかいマッサージ法で、皮膚や皮下組織にたまったリンパ液を正常なリンパ節へ誘導するようにドレナージ(排液)を行います。硬くなった皮膚をほぐし、皮膚の状態を改善する効果もあります。

3 .圧迫療法

体の水分は重力にしたがって手先足先に溜まりやすくなります。リンパドレナージで排液したリンパ液が重力の影響で元に戻らないために十分な圧迫を行います。弾性包帯やストッキング、スリーブなどを使用しますが、体に合わないものを使用するとかえって悪化することがありますので注意が必要です。

4.圧迫した状態での運動療法

圧迫した状態で筋肉を用いた運動をすることで、リンパ管の動きを活発にします。強い運動ではなく、毎日できる程度の運動を続けましょう。お散歩をする、腕を握る・緩める、足首や膝の曲げ伸ばしなど、日常生活の中でできる運動で十分です。


林明辰 Akitatsu Hayashi
亀田総合病院/亀田京橋クリニック
リンパ浮腫センター センター長

超音波や光干渉断層撮影(OCT)を用いた、最先端のリンパ管のイメージング技術を世界で初めて発表。その技術を併用した、より効率的・効果的なリンパ浮腫手術の普及に力を入れている。プロフィール詳細


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